特 集 1

インクルーシブ教育の現在

 
 国連・ユネスコを中心にして出されてきた、インクルーシブ教育に関連した文書を集めました。いずれも公式に翻訳されていない文書で、私なりの理解で訳してあります。だいぶ意訳している部分もありますので、原文も載せてあります。
 
 これらの文書において一貫している視点は、インクルーシブ教育とSDGsの関連性です。SDGsを実現するためには、インクルーシブ教育が必要である、という主張です。
 
 インクルーシブ教育は、もはや障害のある子どもと障害のない子どもの交流といった場面における教育を指してはいません。インクルーシブ教育は、持続可能な世界を人類みなでつくり上げていく現在と将来にとって欠かせない教育の在り方とされているのです。
 
 これらの文書の中から、この視点が伝わる部分を抜き出して整理しました。パワーポイントにしてありますので、「詳しくはこちら→」を見てください。
 


 

急速に変化する世界でグローバルな能力を教える

Teaching for Global Competence in a Papidly Changing World

Asia Society/OECD


 
この文書は、アジアソサエティとOECDにより出されています。OECDは「経済協力開発機構」ですから、社会的側面から教育の課題を扱っています。アジアソサエティとOECDはそれぞれに、グローバルコンピテンスについて四つの能力を示していますが、いずれもインクルーシブ教育が追求してきた教育の在り方と重なる内容となっています。すなわち、インクルーシブ教育とグローバルコンピテンスは、SDGsによって一つになった、と見ることが可能だと思います。
 
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障害のある学習者のためのインクルーシブ教育

Inclusive education for learners with disabilities

European Parliament


 
この文書は欧州議会から出されていて、インクルーシブ教育の必要性や国連・OECD・EUの役割が述べられています。欧州議会はEU(欧州連合)の立法機関ですから、EU全体としてインクルーシブ教育を推進しようという意志が込められています。「今やインクルーシブ教 育は、障害の問題をはるかに超えてい る」とあるように、初めから全ての人々を含めた対応ということが、世界を持続可能にするために必要な考え方である、ということがこの文書から伝わってきます。
 
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障害者を含む
COVID-19への対応

国際連合

2020/5


 
 2020年5月、世界中で新型コロナによる被害が最も多かった時期に、国連より出された文書です。新型コロナによる世界的危機の中、危機の影響を受けたコミュニティにおいて最も排除されやすい障害者をインクルーシブすることが、社会における機敏なシステムを生む、ということが主張されています。
 
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障害のある人のための
インクルーシブ教育

ユネスコ

2019/9


 
 副題に、我々は進歩しているか?とあります。インクルーシブ教育が進んでいない、という意味ですが、この文書で主張されていることの柱は、SDGsを進めるのは教育の力にかかっているのであり、そのことを実現するのはインクルーシブ教育である、ということが明確に主張されています。
 
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教育における参加と公平性を
確保するためのガイド

ユネスコ

2017


 
この文書では、インクルーシブ教育は全ての子どもが対象であり、全ての学校で取り組むべき教育であることが具体的に書かれています。さらにインクルーシブ教育は、SDGsの全ての目標全てを達成するための手段であるともされています。インクルーシブ教育は、変革のための動的な概念なのです。
 
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全ての学習者への
アプローチ

ユネスコ

2016/1


 
 インクルーシブ教育とは「すべての学習者の多様性を支援し歓迎する改革」であり、「そのためのよりよい方法を見つけるための、終わりのない探求です」とあります。すでに、障害のある子どもに対する教育の考え方ではなくなっていることに注目する必要があります。インクルーシブ教育という概念は進化している、ということです。
 さらにこの報告書では、特別な教育や特別な学校がインクルーシブ教育に対して果たすべき役割が、わかりやすく書かれています。
 
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インクルージョンの指標
学校の学習と参加を開発する

インクルーシブ教育研究センター

2011/5


 
 これは、CSIE(インクルーシブ教育研究センター)という英国の民間団体による報告書です。まず「特別なニーズのある子ども」ではなく「学習や参加に対する障壁となっている環境」に注目すべきだという考え方が示されます。その上で、インクルーシブな学校や学習とはどのようなものかが、具体的に挙げられています。
 さらに、カリキュラムのテーマとして、現在の私たちが解決すべき地球環境や身の回りの生活に関するテーマが13挙げられています。
 
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インクルージョンのための
ガイドライン

ユネスコ

2005


 
 今から約15年も前に出された報告書ですが、現在も繰り返し主張されている視点が書かれています。それは変わるべきは子どもではなく、学校の組織・カリキュラム・教育方法などであること、学校の規範になじまない子どもを排除するのではなく、様々にある子どもの違いをむしろ学習を充実させる方向に組織すべきであること、などです。
 子どもに問題があるという視点から、教育システムに問題があるという視点に転換した時、学校の景色は変わって見えるということです。
 
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 横須賀ワンダーランド

横須賀市の魅力を発見しながら、これから横須賀はどこへ向けて進んでいくのか、子どもの未来と共に考えます。


 

会津/夢の一ふし

横須賀市の姉妹都市である会津若松の酒を飲みながら、三浦半島と関連の深い会津の歴史を想います。